4月11日 東京
温かい日が続いて、ほぼ満開になったというのに、桜の花は3月31日から5日間冷たい雨に打たれていました。今年の桜はこれで終わりと思っていたら、まるで冷蔵庫に入れられたように、満開のまま持ちこたえて次の週末を迎え、なんと今週、入学式に桜を楽しめたという不思議な年になりました。
桜が散り始める日本を想像して「郷愁に胸が締めつけられます」とおっしゃった美紀さん。遠くから日本の桜を想われているのですね。私の方は、今年はたまたま一人の時期に桜が満開になりました。そしてふと「もしかしてこの光景はあと30回くらいしか見られないのかも」と気づいてしまい、見事な満開の桜の下、切ない思いで歩きました。
同じフランコ=ジャポネ(日仏)の家族でも、フランスに住みフランスで子育てしている家庭と、日本で暮らして日本で子育てする家庭とはやり方や文化に違いが生じるかもしれませんね。どちらも「二つの文化を享受している」のに変わりはないけれど、ドメストル家とペレ家ではその形も違うかもしれません。
うちの子供達は日本にいるときは「自分はフランス人だから早くフランスに行きたい」と言っていたのです。ところが実際フランスに行くと、どうやら自分は完全にフランス人とは思われていないらしい。フランコ=ジャポネ、と思う人もいれば単にジャポネやアジア人と自分を括る人もいる、と気づいたそうです。日本でずっとリセに通っていたのでフランス語の方が日本語より上手いくらいなのですが、フランスで「フランス語うまいね」と言われてしまう。悔しい時は「あなたもね」と返してあげるのだとか。笑ってながすフランス人もいれば、自分の発言の愚かさに気づいて恥じる人もいるそう。そうしているうちに日本人としての自分について考えるようになったらしいです。
かといって、うちの子供達の心の中は完全に日本人か、というとそうでもないようです。約束を守らなくても謝らず、長々と言い訳したりするフランス的態度にはうんざり。でも、周りがどうであっても自発的に誰かを助けたり、公共の場でも臆せず自分の意見を言えたりするフランスは好き。
両方の文化を知る人は、さまざまなシチュエーションで、多角的な見方ができると思います。こんなに違う考え方や文化があると知るだけで、もっと違う文化も存在するはず、と想像できるのですよね。美紀さんもまさにそんな中で子育てと仕事をしていらっしゃいますね。美紀さんのフランス育ちのお子さんたちはどんな風に二つの文化と向き合っていますか?
「知性の塊」のご主人に神様が出会わせてくれた。なんて素敵な告白でしょう、美紀さん!歴史にも詳しいそうですね。エクリールオンラインサロンの内容を知るとご主人との会話もますます弾みそうですね。歴史って面白いと以前から思っていましたが、私もオンラインサロンに参加させていただき、教養の貯金箱が貯まっていくような感覚があります。2回目が終わったところですが1ヶ月を通してレクチャーが出揃ったところでどんなsynergieが生まれるのか、楽しみにしています。
日本は新学年で新しいことが始まって落ち着かず、フランスは学年末に向かって落ち着かず、という時期ですね。季節の変わり目にもなりますので、お身体に気をつけて「やらなければならないこと」されてくださいね。来週のお返事も楽しみにしています。
Avec toutes mes amitiés.
信子