パリにて。
先週の暑いパリと打って変わって、今日はしっとりとした少し肌寒いくらいの天気です。東京は夏日が続いていると聞いていますので、エアコンなしで眠れるこの天気をありがたいと感じます。
今週、とうとうヴェルサイユの美紀さんのお宅を訪問することができました!Versailles Rive Droite駅に着いた時、一緒に降りたほとんどの乗客がヴェルサイユ宮殿見学の観光グループで、ガイドさんが高く挙げる旗に先導されて歩く横を、スタスタと追い越しながら、駅の入り口で美紀さんと待ち合わせている私の足取りはなんと軽かったことか。
たまたまヴェルサイユの市場が立つ日で、ご自宅に向かう前に一緒に市場で買い物できたのも楽しかった!美紀さんがいつもお買い物されるチーズ屋さんでチーズを選んで、新鮮なハーブが売っている屋台で買い物をして。夏休みで縮小されているとのことでしたが、十分すぎるくらい多くの屋台がある上に、屋内常設市場もあって食べることがこの街では楽しいだろうなあと思いました。(この様子はインスタライブでお届けしました。私のインスタにアーカイブが残っていますのでご覧ください)
フランスやヨーロッパの街を旅していて、美味しいものがあるところには良い文化があると確信しているのです。ヴェルサイユは、私のそんな余計な確信なんて必要ない素敵な街なのですけどね。
フランスで今年は何故かいつにも増して、こちらで暮らしている日本人の方たちがどんな事情で渡仏し、どうやってフランスで暮らすことを決心したのかに興味を持ちました。たまたまお店で一緒になったフランス在住の日本人の方と言葉を交わしたり、その方達の決心というかこの国で生きていく心意気などを興味深く聞いています。「住めば都」のひとことなのかもしれません。でもある場所に定着するには期待したり期待を裏切られたり、嬉しいことや我慢することなどが順々にやってきて、その経験の上に今があるのでしょう。
美紀さんのご自宅のあたりは静かな住宅街でここがパリからそんなに遠くない場所だということを忘れてしまうくらいでした。主宰されているエクリールオンラインサロンの講師の方々と一緒にテーブルを囲んで美味しいランチを頂きながらいろんなことを話しました。
印象に残っているのが「嫌なこと、嫌な人をスルーする癖がついた」という言葉です。日本にいると他人が感情をむき出しにしている場面に滅多に出会わないけれどパリではしょっちゅう。でもそれにいちいち気を止めていたら疲れてしまう。だから「見ても見ないことにする」技術で心がダメージを受けないように防御しているということでしたね。なるほど〜。
ランチ後は駅までまっすぐ帰るのではなく、美紀さんがヴェルサイユ宮殿の周りの公園を歩きながら帰りましょうと提案してくださいましたよね。マリーアントワネットの「愛の神殿」の裏、プチトリアノン、グラントリアノン、大運河、ヴェルサイユ宮殿を遠くに見ながら散歩しました。公園なら入場料を払わずに散歩できるのですね。この散歩の時間がとても心地良く、想像以上にリフレッシュしましたよ。
私が選ばなかったフランスでの子育ての話を聞き、私がフランスで子育てしていたらどうなっていただろう、と考えました。フランスで子育てした美紀さんと日本で子育てした私がこうしてこの日、同じ場所にいたように、私たちの道のりも時間と空間が交差して、今この同じ瞬間に行き着いた、という感覚を持ちました。
まだ夏は長いけど、何か一区切りついたようなそんな1日でした。美紀さんありがとうございました。また近いうちにお会いできる日を心待ちにしています。
信子