『テーブルの往復書簡 東京―ベルサイユ』⑧

わたしたちの往復書簡
©ペレ信子

親愛なる美紀さんへ、

Joyeux Noël!
キリストの生誕をご家族で盛大に祝われたことと思います。
この一年はどんな年でしたか?たくさんの新しい出会いと喜びに満ちた年だったのではないでしょうか?

写真のテーブルコーディネートは数年前のクリスマスのテーブルです。グレーとグリーンという大人の色合わせテーブルでその時は落ち着いた気分で過ごしたかったことを思い出します。赤、緑、白、金銀と典型的な明るい気持ちになるクリスマスカラーが好きなときと、大人っぽいシックな色合いが良いときを行ったり来たりしています。

今年を振り返る時期になりました。実は今年は何回か病院に検査に行くことがありました。というわけで私は新しい病院や新しい先生との出会い(!)がいくつかありましたが、幸いにもその先生方とは定期的にお付き合いしないで済む結果となりました。このところ、やってみたいことにいろいろ挑戦していますが、少々詰め込み過ぎたのでしょうか。無理はしないで自分に優しくしなさいというサインだと受け取っています。

今年のクリスマスはパリから戻った子供達と過ごしました。パリのクリスマスイルミネーションは美しいでしょうに、東京で育った子供たちは、クリスマスの東京の街が彼らのクリスマスのイメージだと言います。子供と過ごすクリスマスは良いものです。家が活気に満ちています。彼らの好きなものを食べさせようと買い物と料理に明け暮れています。

今年のクリスマスシーズンに思ったこと。

アメリカで「Merry Christmas」の代わりに「Happy Holidays」と言うようになったことにならって、フランスでも以前は「良いお年を」的に使われていた(気がする)「Bonnes fêtes de fin d’année(年末年始の楽しいパーティーを)」が「Joyeux Noël」の代わりにひんぱんに使われるようになったように感じます。「Joyeux Noël」と言うとちょっと時代の流れに乗れていない人のような雰囲気。

「インクルージョン」はもちろん大切ですが、「Joyeux Noël」と「Bonnes fêtes 」が、強制されることなく好きなように共存する世界であって欲しいなと思いました。美紀さんはどうお考えになりますか?

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クリスマスからお正月のテーブルを大人数で囲んでチキンの丸焼きを食べることができなくても、ちょっとだけ上等なチキンレッグを少人数で美味しく食べたい人へ、チキンを柔らかくいただくレシピをご紹介します。

Cuisses de poulet roties チキンレッグ のレモンオリーブオイルマリネ焼き

材料4人分
鶏もも肉(骨付き) 4本
レモン 1個
オリーブオイル 大さじ2杯
塩、こしょう
じゃがいも(中くらいの大きさ)6個

作り方
1. 鶏もも肉の骨に沿って、切り込みを入れて火が通りやすくする。
2. 2本につきレモン1/2個分のレモン汁を回しかける。オリーブオイルもかけて全体に馴染ませる。少なくとも30分休ませる。(レモンとオリーブオイルで鶏がしっとりします)
3. 塩、こしょうしてオーブン皿に並べる。200℃のオーブンで30分加熱する。最後に220℃にあげて5分加熱する。
4. 付け合わせのジャガイモは洗って皮を剥き、半分に切る。鶏を焼く時のオーブンに一緒に入れる。

みんながもも肉を食べたい時もありますよね
超簡単、チキンに便乗ベークドポテト


美紀さん、「テーブルの往復書簡ベルサイユー東京」をご愛読の皆様、今年もお付き合いいただきましてありがとうございました。
食卓を通して普段の暮らし、大切にしていること、人とのつながりについて何か感じ取って頂いたことがあれば幸いです。
また来年もよろしくお願いいたします。

信子

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