親愛なる美紀さんへ
日本の6月は梅雨の季節ですが、今年は雨と晴れの日が良い塩梅でミックスされていて暑さに参ることも、雨に滅入ることもなく過ごせています。フランスはすでに猛暑と聞いています。お加減いかがですか。
今月ご紹介するのは、実は数年前の夏のテーブルコーディネートレッスンでのテーブルです。この時はフランスの鋳物の鍋で有名なル・クルーゼのアンバサダーをしていた年でした。幸運にもル・クルーゼの素敵なお皿を借りてレッスンすることができました。ル・クルーゼは鍋の色もカラフルで楽しいですが、食器もカラフルなものがたくさん揃っています。夏休み前の楽しい気持ちを表現するためにあえて全部違う色を選んでコーディネートしました。この年は、娘がフランスの港町にある大学へ進学する年だったので心が海へ向いていたのですね。今、このコーディネートを見ると懐かしくその頃を思い出します。
この時にレッスンしていた料理はサーディンのリエット・トマトのファルシ、チキンのスパイスブロシェット、タブレ、と言ったフランスの夏休み料理でした。この中からサーディンリエットのトマトファルシのレシピをご紹介します。

Tomates farcies aux rillettes de sardines
サーディンのリエットトマトファルシ
材料4人分
トマト(小さめ) 4個
オイルサーディン缶 1/2~1缶 *なければツナ缶でも
キリ(フレッシュチーズ) 4個 *クリームチーズでも代用可
レモン汁 1/2個分
マジックソルト 適量
トマトの汁
ベビーリーフ
オリーブオイル
塩、こしょう
作り方
1. トマトの上部を蓋にするように切り、中身をスプーンで取り出す。汁と果肉に分け、果肉は刻んでおく。
2. サーディンを缶から出して、尾の部分を取り除いてボウルに入れてほぐす。キリ、レモン汁、マジックソルト、トマト汁を加えて良く混ぜる。
3. トマトにサーディンのペーストを詰めて、蓋をのせる。サラダを散らしてオリーブオイル、塩、こしょうをさっと振りかける。
さて、2025年9月から美紀さんとテーブルの往復書簡を続けていますが、告白すると、それを言い出した私自身がこの一年はテーブルコーディネートに力を入れられず勉強に追われた日々でした。その勉強はこの7月に終了する予定です。
テーブルコーディネートや美味しいものを作ること、そしてなんといっても友達を招いて家でご飯を食べることが大好きな私が、ほとんどそれを封印していた1年はちょっとコロナ禍を思い出させる、辛い時期でした。冬に風邪をひいてそれが長引いたときは精神的にも弱くなってしまったこともありました。
なぜ勉強するのか、この先に何があるのか、と自問自答しながら勉強をしています。でも、辛いと言いつつもそんな時間の中で状況を観察して面白いことを見つけるのが得意です。実は、自分について、未来を考えたり過去について振り返っているうちに、気づけばすべてに敏感だった高校から大学までの自分にフォーカスしていました。そう、フランスに出会う前の自分。
そしてその頃、聴いていた音楽(私の場合は80年代のアメリカのロック)が急に聴きたくなって勉強の合間に聴きまくったのです。そうすると懐かしいと同時に、あの頃とは違った気持ちで聴いている自分がいるのに気づきました。ロックを聴いて涙したりしているのです。あの頃の不安な若者だった自分を安全な場所から「大丈夫だよ」と思いながら見ている今の自分。
勉強しながらこんなこと考えています。現実逃避ともいうかもしれません。でもそれで精神的なバランスを取っているのかも。
頑張った自分へのご褒美の夏がやってきます。この期間(7〜8月)はテーブルの往復書簡も夏休みをいただきます。この期間に美紀さんとフランスで会えるのが、今頑張るモチベーションの一つになっています。
また9月に往復書簡を再開する予定ですので、お楽しみに!
Bonnes vacances à toutes et à tous.

