フランス在住マダムが伝授する、簡単フランス家庭料理、今回はブッフ・ブルギニヨンを。フランスを代表する家庭料理の一つです。
作り方は説明をはばかれるほど簡単なのですが、美味しいブッフ・ブルギニヨンを作るために抑えておく、大切なことが2つあります。
まずは、お肉の部位を間違えないこと。
フランスではスーパーでも、ブッフ・ブルギニヨン用のお肉がパックされ販売されていますが、選ぶときは、すじ肉(脂肉ではなくて)が多そうなパックを選ぶこと。肩ロースもいいのですが、煮込んでもパサパサになることがあって。もし、ブシェールで頼むのであれば、Jaretとか、Joue (頬肉)がお勧め。
日本であれば、カレー・シチュー用のお肉で代用できますが、さらにすね肉や牛すじを加えるといいと思います。
大切なポイント2つ目は、ブッフ・ブルギニヨンは、ビーフシチューとは違う、と頭に入れておくこと。ブフとシチュー、似ているのですがやっぱり違うのです。ブフはトマトソースもケチャップもデミグラスソースも入れません。牛肉を赤ワインに煮る、それだけ、なのです。

材料・レシピ
材料 6人分 (冷凍保存できますし、ソースを別の料理に活用できるので、多めに作ることをお勧めします)
牛肉 1キロ 6,7センチの大きな角切りするのがフランス流
玉ねぎ1個 (スライスする)
人参 3-4本 (ラぺ、もしくは薄い輪切りに)
月桂樹の葉、タイム、そしてセロリやポワロ葱(長ネギでも)の、捨ててしまうような緑色の部分、コショウを何粒
バター 大匙2杯分ほど(20g)
作り方
玉ねぎ・人参をバターで飴色に炒め、そこにお肉と香草類を加え、ひたひたになる程か入れて1,2時間、弱火で煮ます。
お肉が半分水から顔を覗かせるくらいに水分が飛んだら、今度は赤ワインを、お肉が完全に隠れてしまう程度に注ぎ入れます。一本弱、というところでしょうか。本来はブルゴーニュワインを使うから、”Bourguignon“ なのですが、ブルゴーニュのワインはお高いので、わたしは普通のボルドーワインを使っています。ローヌ産でも何でも、甘くない赤ワインであれば、OK! というのが大雑把なわたし流です。
さらに1,2時間煮て、再びお肉が顔を覗かせるまで水分が飛び、お肉に串をとおしてもスーッと入るようになったら、塩で味を調えて出来上がり。

そう、お肉に小麦粉を叩いたりしませんし、ただ煮る、という簡単さです。あれば、乾燥セップ茸を少し加えてもよし、かな。でもその程度に。
また、塩は最後まで加えないで、まずは自然の甘み、塩味に任せましょう。最後味を見て、海塩で整える。甘みが足りないときはお砂糖を隠し味程度に加えてもいいですし、砂糖の代わりにいちじくのジャムなどを加えるのもよし。
ご家庭であれば、そのままでもいいと思うのですが、とろみが欲しいときは、お肉を一旦取り出して、玉ねぎと人参が溶けかかっている汁をブレンダーに掛けるととろみがつきます。もしくは、バターと小麦粉をそれぞれ大匙1づつ混ぜたルーを溶かし入れれば、とろみとさらなるコクが加わります。
わが家では、別茹でしたジャガイモと、バター炒めしたマッシュルームや季節の野菜を添えてサーブしています。別にした方が、それぞれの野菜の味が残り、ソースとのマリアージュも愉しくて、飽きることなくいただけます。
でも面倒なときは、なし! ソースの中に玉ねぎも人参も入っているのだし、家庭料理はそれでいいと思うのです。
時間はかかるけれど、火にかけっぱなしでいいですし、事前に作って置けるので、実は楽なブッフ・ ブルギニヨン(……ボルドーワインだけど)、是非お試しを!