『テーブルの往復書簡 ベルサイユ―東京』⑮

わたしたちの往復書簡

親愛なる信子さんへ、

復活祭明けのベルサイユよりお便りしています。
先週の聖金曜日の辺りから、復活祭はあるし、イラン情勢は緊迫しているし、天気も、コートが手放せないような寒さだったのが、いきなり夏日になったり、落ち着かない一週間だったのですよ。日本はいかがですか? 桜が散り、かわいい若葉が芽吹いている頃ですよね。ああ、こう書いているだけでも日本の季節の移り変わりが恋しくなります

今年の復活祭は、数年ぶりにサルト地方にあるメゾン・ド・カンパーニュに赴き、義母の手料理を頂きました。テーブルはこんな風(動画をご覧ください)。


田舎には田舎の流儀というものがあります。
一つには、「都会ぶらない」ということ。
テーブルにおいては、たとえば繊細なレース使いのテーブルクロスではなく、厚手でしっかりとしたものが似合います。お皿もシャープなデザインのものより、草花をモチーフにした絵柄の方がフィットします。素材も、磁器よりは陶器、もしくはこの画像にあるようなテール・ド・フェール(アイアンストーン)のほうが、よりカントリーらしいとされます。

また、装いにも通じることですが、「やり過ぎない」「フォーマルにし過ぎない」というのも田舎の流儀です。極端な例では、田舎でシャネルスーツは少し野暮に映ります。テーブルコーディネートも同様で、セルヴィエットを孔雀の羽のように折ったり、お皿をコースごとに何枚も重ねたり、カトラリーをずらりと並べたり、といった演出はあまりしません。それが田舎のライフスタイルなのです。
お料理やワインも然りで……、とうんちくは続くのですが、それはまた別の機会にしましょう。

義母も80歳を超え、以前ほどの気合は感じられなくなりました。それでもこんな遊び心を持ったテーブルを創ることができるってスゴイですよね。

さて、先日のインスタライブでは、信子さんもすっかり体調も戻られたようで安心しました。心身の健康のためにウォーキングやアロマをされている、というお話も参考になりました。
わたしも花粉症のせいばかりにせず、4月は少し外へ出ようと思っています。5月の往復書簡では、そのようなご報告ができますように。

かしこ

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