「クリスマスだからクッキーを作りましょ」
母の引導でクリスマスにクッキーを作ったのはあの年だけ。それでも、あの午後のことは未だに覚えています。遠い昔のことなのに。
後に、欧米では、クリスマスシーズンになると、手作りクッキーを持ち寄ってお茶したり、プレゼントする慣習があると知り、「ああ、外国好きな母はそれでああいう提案をしたのね」と分かったのでした。
パリではクリスマス・クッキーの慣習は耳にしたことがないのですが、アルザスの方では盛んだとか。
わたしも、ノエルが近づくとクッキーを焼きます。上の写真のように張り切って数種類焼くこともありますが、このスノーボールクッキーだけ、という年の方が多く。
そんな「一つだけのクリスマスクッキー」でも、「あ、そうか、これの季節か」と、家族が反応してくれると、しめしめ、と思うのです。「うちのクリスマス・クッキーといえば、スノーボールクッキーというのがあってね」、と大人になってからも思い出してくれそうだな、そうだといいな、と、そう思うのです。
見映えしなくても、完ぺきでなくともいいの。
ノエルが近づく寒い夕方に、ドアを開けたらバターの香りが漂ってきて、このスノーボールクッキーがお団子のように積み上げられていって、一つ頬張るとホロっと割れてナッツの香りが口中に広がっていって……。そんなノエルの思い出を家族にプレゼントしたいのです。
ということでスノーボール。もちろん、簡単レシピです。一緒に作りましょ。
材料・作り方
直径2センチのボールクッキー約20個分
バター 125 g
砂糖 50g
塩 一つまみ
アーモンドプードル 75g
薄力粉 150g
・バターは有塩でも無塩でも構いません。加える塩の量で加減してください。少し塩味が効いていた方が甘味が引き立つと思います。マーガリンでも大丈夫ですが、もし生地が柔らかすぎるようでしたら、アーモンドプードルの量を少し増やしてみてください。
・ナッツはアーモンドでなくとも、ヘーゼルナッツやクルミでも、またピーナツでも美味しくできます。粉砕するときにやり過ぎてペーストにならないようにお気をつけ下さいね。
作り方は、バターと砂糖をミキサーでよく混ぜ、その他の材料を順に加えて混ぜるだけです。
薄力粉を加えたあとはさっくり合わせればOK、こねすぎると固くなってしまいます。
この生地をタッパーなどに密閉したら最低でも1時間寝かせてください。
・成型したら、200℃のオーブンで焼き、焼きたてに粉砂糖を軽くかけてキャラメリゼさせる。
・しっかり冷めたら、さらに粉砂糖をまぶして出来上がり!
簡単ですし、お団子の形を作っていると童心に戻るというか、どこか懐かしくて、楽しいのです。お友達と一緒に、おしゃべりしながら作っても、お子様とご一緒に作っても、もしくは、仕事から帰ってからワイン片手に一人で作っても楽しいと思います。
是非お試しくださいね。