前回は、斎藤由美さんに教えて頂く「庭の花摘みレッスン」の様子をお伝えしました。
花とどう向き合うか、これがセンスを磨くためのキーであることが見えてきましたね。
今回は、由美さんが作って下さったアレンジメントを、どのように室内に飾るか、教えて頂きましょう。
テーブルが庭となる!
テーブルフラワーと言えば、食卓の中央に置かれるお花です。香りきついものはだめ、控えめな大きさで、と一般的に言われます。
でも、このときの花は、大きさのルールを見事に破った、ゴージャスで、まるで庭がそのまま食卓になったような、そんな夢のようなテーブルフラワーでした。
時には、ルールを度外視してダイナミックな演出をする、というのも、
た・の・し・い!
日常が特別な日になるというか。
そして、花がもたらす生命力をまざまざと実感しました。
食卓から、枝が、葉が生えてきても驚かない、そんな躍動感があって、
健康な食欲が湧いてきます。
ここでも、花の葉などをしっかりと取り除くネトワイエ(nettoyer、きれいにする)という作業をしたことが功を奏していて、こんなにわっさわっさと花や植物が乗っても、清潔な瑞々しさしかありません。
Orie Parisフランスetc さんに撮影して頂いた動画をご覧くださいませ。
Orieさんは、フランスのブロカントを中心に動画を発信しているYoutuber。とても丁寧で見やすい動画を撮っていらっしゃいます。ブロカントやフランス美術に興味ある方は、ぜひチャンネルの方もご登録ください。
失敗してもいいじゃない?
もしわたしが先生ならば、ここでは、
「こういう遊びができるのは、センスを習得した人だけの特権。自信のない方はルールをしっかり守ってくださいね」
というべき場面でしょう。
でも、はみ出し人生を歩んできたわたしは言います。
どんどんルールを破ってしまいましょう、と。
時には、大胆に花をテーブルに飾ってみてはいかがでしょう。
親しいお友達を呼んで驚かせてもいい。
家族に「なにこれ!?」と笑われてもいい。
お友達を十分に驚かせた後に、「どう思う?」と意見を頂くことができたら、とても勉強になると思います。ご家族は、意外にも鋭いアングルでアドバイスをくれるものです。
変だ、と言われたら、「どこが変なのか知りたい」と食い下がること、大切です。
やり過ぎ、と言われたら、「どの部分がやり過ぎなの」と一緒に考えてもらいましょう。
そのアドバイスを丸呑みする必要はありません。
でも丸呑みできない理由をしっかり考えて。
そうやって、「自分の趣向」と「他人の視点」を知ること、この二つはセンスを磨くためには必須です。
お食事のことも少し
食事のメニューも、センスが問われるところ。
自分の力量をよく知ること、大切です。
あとは、装いと同じで、TPOに合ったものを考えること。
おもてなしだから、と気張って豪華にしなくてもいいと思うのです。
全てお手製でなくてもいいと思います。
でも一品だけでも(お茶だけでも!)お手製があったら気持ちが伝わりやすいとは思います。
自然体で、自分らしく作れるもの、提供できるものを考えたらいいと思います。
この日は、気温が上がると聞いていたので、まずは、冷製コーンスープにしました。
フランスでは、食用トウモロコシが少なく、コーンスープは滅多に味わえないお料理。
そんなある日、パリで人気のビストロを持つ、竹田和真シェフがYoutubeでこのスープの作り方を紹介されていたので早速トライしたところ、うん、好みの味!
そのあと何度か練習して習得し、この日、皆様にもご提供したところ、喜んでいただけました。
クルトンには、ジャイアントコーンを砕いたものを使っています。
当日は台所に引っ込む隙がないことは確実だったので、メインは、牛肉の冷製テリーヌにしました。これは前日まで仕込むべき料理ですし、滋養たっぷりな割にはエレガント感ある一品なのでこの日の軽食にはぴったりだった、と自己満足。
その他、シンプルなきゅうりや卵のサンドウィッチを。
この日のデザートは、ベルサイユの人気パティスリー・ブーランジェリー、 Au chant du coq オシャンドュコックのヴィノワズリーに頼りました。こちらは、東京の自由が丘にあるパリセヴェイユという人気店の姉妹店だとか。地元ベルサイエ(パリの住人=パリジャン、パリジェンヌ、と呼ぶように、ベルサイユの住人はベルサイエと呼ばれます)にも愛されていて嬉しく思っています。
このほか、お手製イチゴのグラニテも少し。アンティークのワイングラスに入れてお出ししました。
冒頭の動画が食卓の様子を見事に捉えているのでぜひご覧くださいね。
由美さん、素晴らしい庭摘みレッスンをありがとうございました。
庭の手入れをしっかりしますので、また機会があればぜひお願いいたします!(Love call!!!)